子どものむし歯は親の責任です
子どものむし歯の原因は、多くの場合、食生活に起因しています。診療の際に「家にジュースやお菓子を置かない、おやつの時間を決めて与えることを徹底してください」とお伝えすると、親御さんから「チョコばかり食べちゃダメだよ」と子どもに言い聞かせる場面がよく見られます。
その後で、「子どもがねだるから、与えざるを得ないんです」という親御さんも少なくありません。でも、ちょっと考えてみてください。子どもは自分で買い物に行くわけではなく、食べるものはすべて親が与えています。つまり、子どもの食生活をつくっているのは親であり、子どものむし歯の原因をつくっているのも親です。
だからこそ、子どものむし歯は親の責任です。お菓子やジュースの量をコントロールし、適切なおやつの時間を守ることが、むし歯予防につながります。親として、子どもの健康な未来を守るために、できることからしっかりと実践していきましょう。
エンプレス歯科からのメッセージ
ここからは少し厳しいお話になりますが、仕上げの歯磨きをしていない親御さんも多く見受けられます。「忙しいから」「子どもが嫌がるから」という理由で歯磨きをしないという声もありますが、それで本当に良いのでしょうか?
私も二児の父親ですが、忙しいからといって歯磨きを省くことはありません。実際に時間を計ってみると、1人あたり2分で仕上げの歯磨きが終わります。つまり、2人の子どもの歯を磨くのにたった5分です。この5分間さえ「時間がない」と言えますか?テレビを見ている時間を少し削るだけで、子どもの歯を守る時間は十分に確保できます。
また、「子どもが嫌がるから歯磨きをしない」という声もよく聞きますが、それではむし歯が増えるばかりです。治療しても、毎日のケアが不十分であれば再びむし歯ができてしまいます。子どもの歯の健康は、日々の習慣によって守られるものです。たった数分の歯磨きで、子どもの未来の歯を守れるのです。親として、その責任をしっかり果たしましょう。
子どもと歯医者の信用関係を大切に
治療の際に、親御さんから「痛いことしてもらうよ」や「麻酔なしでしてもらうよ」といったネガティブな言葉を子どもにかけるのは、避けていただきたいと思います。また、よく聞く「何もしないよ」という言葉も、結果的に子どもとの信用関係を崩してしまうことがあります。
歯医者との信頼関係は、治療の成功にとって非常に大切です。私たちは決して麻酔なしで痛みを与えるような危険な治療は行いません。子どもに恐怖心を抱かせてしまうと、歯科医院に対する不安が増すだけです。ですから、歯医者を悪者にしないでください。悪者扱いされると、歯医者嫌いな子どもになってしまいます。
「何もしないよ」と言った後で治療を始めると、子どもは「信じていたのに」と感じ、今後の治療が難しくなります。無理に治療を進めても、逆効果です。大人でも、いきなり「これから歯茎を切って歯石を取ります」と言われたら怖いですよね?子どもにとってもそれと同じことなんです。
そのため、治療の際は親子の分離をおすすめします。母子分離することで、子どもが親に甘えず、スムーズに治療が進みます。心配であれば、治療内容を説明し、治療後に確認することで、親御さんも安心できると思います。
子どものむし歯予防と治療は、親御さんの日々の努力と、歯医者との信頼関係にかかっています。私たちと一緒に、子どもの健康な歯を守っていきましょう。